消化器内科

診療時間

曜日
午前尾関菅原
(受付 午前11時まで)
尾関菅原
(受付 午前11時まで)
羽鳥
午後菅原(肝臓外来)
診療開始 午後1時30分
尾関羽鳥

印は予約診療となります。
休診・代診、診療時間変更についてはこちらをご覧ください。

診療内容と特徴

消化器(主に食道・胃・大腸)と肝臓、胆嚢、膵臓の疾患を中心に、身体状況と、生活の質を考えた診断治療を専門的に行っています。また、消化器内科・外科病棟が同じフロアに配置されており、内科・外科で連携して、標準化された最適な治療を行っています。また、C型慢性肝炎の抗ウイルス薬内服治療も行っています。

対象疾患

◆上部消化管
  • GERD(胃食道逆流症)などの逆流性食道炎
  • ヘリコバクター・ピロリ感染性胃炎・胃潰瘍
  • ポリープ
  • 食道がん、胃がん
  • 上部消化管出血 など
◆下部消化管
  • 過敏性腸炎
  • 虚血性腸炎、感染性腸炎
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
  • 大腸がん、大腸ポリープ
  • 下部消化管出血 など
◆肝臓
  • ウイルス性肝疾患(B型肝炎、C型肝炎)
  • 急性肝疾患(薬物性肝障害 など)
  • 慢性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症)
  • NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)などの脂肪性肝疾患
  • 肝硬変、肝がん、肝膿瘍 など
◆膵・胆道系
  • 胆石(胆嚢結石、総胆管結石)、胆管がん
  • 黄疸、急性・慢性膵炎、膵臓がん など

対象となる症状

食道、胃、大腸などの消化管の病気や、胆嚢、肝臓、膵臓などの腹部臓器の病気を扱っています。検診で便鮮血陽性、ピロリ菌感染、肝機能障害を指摘された方、胸やけ、腹痛、黄疸、下痢、血便などの症状がある方も対象となります。

行っている主な検査、治療

低侵襲な検査

当院の上部内視鏡検査では、経鼻あるいは経口内視鏡を用い、患者さんの希望に応じて鎮静剤を使用しながら、痛みのないように検査を行っております。また、大腸内視鏡検査も苦痛のないように、鎮静剤を用いながら安全に検査を行っており、細径の内視鏡、処置用の内視鏡、拡大観察用の内視鏡などを適宜使い分けています。

早期胃がん・大腸がんの内視鏡治療

上部・下部内視鏡検査で病変があった方には色素観察・拡大観察や生検検査を追加し、詳しく診断を行い、内視鏡治療が可能な早期病変に対しては、粘膜切除術(EMR)、粘膜下層剥離切開術(ESD)を行っております。
EMRとは、内視鏡を用いて、筋層以下(粘膜下層の奥)に障害を与えずに粘膜下層の深さで粘膜を広く切除し、組織を回収する方法です(図1)。EMRは一度に切り取ることができる病変が2cmまでと制限があるのに対して、ESDは専用の処置具を用いて、より広範囲な病変を切り取ることが可能な治療法です(図2)。


図1 粘膜切除術(EMR)
図1A

図1(A) S状結腸の2.5cm大の早期がん

図1B

図1(B) 内視鏡を使って腫瘍を切除している様子


図2 内視鏡下粘膜下層切除術
図2A

図2(A) 早期胃がん

図2B

図2(B) 内視鏡を使って腫瘍を切除している様子

図2C

図2(C) 剥離終了後

胆膵内視鏡(ERCP)

内視鏡を用いて、胆管、膵管を造影する検査を、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)といいます。口から十二指腸までカメラを挿入し、その先端から膵管・胆管の中にカテーテルを挿入します。カテーテルから造影剤を入れて、胆管や膵管の写真を撮影します。総胆管結石に対しては、ERCPに引き続いて乳頭から総胆管にバスケット状の処置具を入れて、結石を十二指腸に引き出します。胆管や膵管に狭窄がある場合、プラスチックや金属の筒(ステント)を胆管や膵管に挿入して、胆汁や膵液の流れを改善させることもできます。

超音波内視鏡(EUS)

超音波内視鏡は超音波装置を伴った内視鏡検査で、消化管の内腔から消化管壁や周囲・臓器などの診断を行う検査です。従来では確定診断が困難であった病変も、超音波内視鏡を用いて病変の一部を採取することにより、診断することが可能となりました。
また、閉塞性黄疸をきたした患者さんで、内視鏡的逆行性胆管膵管造影でのステント挿入が困難な場合には、従来では経皮経肝的胆道ドレナージ(PTBD)という処置が必要とされていましたが、超音波内視鏡を用いてステントを挿入し、症状を改善させることが可能になりました。このような手技は、消化器内視鏡の中でも高度な技術が必要とされており、当院では2016年から実施しています。

肝疾患

ウイルス性肝炎、肝硬変症の診断および治療を行っています。抗ウイルス薬によるC型肝炎やB型肝炎の内服治療や、肝生検、肝臓癌の集学的治療として、ラジオ波焼灼術、寒栓療法や動注療法など病態に合わせて治療方針を決定しています。

消化管疾患に幅広く対応

その他消化管出血(吐血、下血)に対して緊急内視鏡止血術、経口摂取困難となった方に胃瘻造設(PEG)、食道静脈瘤に対して内視鏡治療など、緊急治療から慢性期まで幅広く行っております。

診療実績(主に保険診療分)

内容 2016年
上部内視鏡検査 1277
下部内視鏡検査 564
ERCP(胆膵内視鏡) 117
PEG(胃瘻造設) 40
胃・大腸ESD(粘膜下層剥離切開術) 10

スタッフ紹介

菅原 崇

菅原 崇

科長

主な経歴

  • 岩手医科大学 卒業

専門としている領域

  • 肝炎ウイルス治療
  • 肝がん診断・治療
  • 消化管内視鏡
  • 診断内視鏡
  • 治療内視鏡
  • 鎮静内視鏡
  • 疼痛・緩和など

専門医・指導医

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・内科指導医
  • 日本病院総合診療医学会認定専門医
  • 日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本肝臓学会認定肝臓専門医
  • 日本外科感染症学会ICD認定医
血清ABC健診で 内視鏡で X線で胃炎をどうする?

『血清ABC健診で 内視鏡で X線で 胃炎をどうする?』
(日本医事新報社)
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総合東京病院通信 vol.54

総合東京病院通信 vol.54『未病のすゝめ』
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総合東京病院通信 vol.8

総合東京病院通信 vol.8『ピロリ菌感染・胃炎・胃癌の連鎖を断ち切るために』
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尾関 伸司

尾関 伸司

医長

主な経歴

  • 2005年 藤田保健衛生大学医学部 卒業

専門としている領域

  • 消化器科(特に下部消化管)

専門医・指導医

  • 日本外科学会外科専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本病院総合診療医学会認定専門医
総合東京病院通信 vol.42

総合東京病院通信 vol.42『増え続ける大腸がん』
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ピロリ菌感染・胃炎・胃癌の連鎖を断ち切るために

近代において日本人の国民病といえば、肺結核、花柳病、酒毒といった感染症と生活習慣病でした。現代の国民病としては、メタボ(メタボリックシンドローム:内臓脂肪症候群)、ロコモ(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)といった加齢や生活習慣に基づくものと、感染症としてヘリコバクター・ピロリ菌感染症(以下、ピロリ菌感染とします)があげられるのではないかと考えます。
メタボとは、内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧などが引き起こされる状態をいいます。ロコモとは、運動器自体の疾患や加齢による運動器機能不全により要介護リスクが高まった状態をいいます。メタボもロコモも慢性・持続的な状況で、短期的に治療効果が期待できない病態のことが多いと思います。


ピロリ菌感染とはどのようなものなのでしょうか?

ピロリ菌は約3μm×0.53μm大の細菌で、主に乳児期に経口感染します。胃の粘膜に感染して胃炎を引き起こし、胃・十二指腸潰瘍や胃癌の原因となります。日本は先進国のなかでは、ピロリ菌感染が多く、調査報告にもよりますが60代の約60~70%が感染者で国民全体では、約5千万人程度の感染者がいると推定されています。
現在の主たる感染経路は家族内感染で、育児への貢献度が高い肉親からの感染が多いと報告されています。1994年に世界保健機構(WHO)および付属機関の国際がん研究所(IARC)は、ピロリ菌感染をヒトに対して発癌性があると認定しました。発癌性リスクとしては最も高いGroup1に分類されており、同じGroup1にはアスベストやマスタードガス、プルトニウムなどが含まれています。

ピロリ菌感染と胃癌の関連性はどの程度強いのでしょうか?

ピロリ菌感染が長く放置されますと、胃の粘膜が萎縮する胃炎(萎縮性胃炎)になります。萎縮性胃炎が進行すると胃癌を発症しやすくなります。ピロリ菌感染のない人から胃癌が発生することはごくまれなこともわかってきました。ピロリ菌の感染により、炎症→萎縮性胃炎→胃癌と連鎖して発病していくと考えられています。疫学調査では、ピロリ菌感染者の約3%が10年で胃癌を発症し、特にピロリ菌感染の持続と進行した萎縮性胃炎がある方では胃癌を発症する危険性が10倍になるといわれています。

ピロリ菌感染の治療はどのようにおこなわれるのでしょうか?

ピロリ菌感染の治療(ピロリ菌除菌療法)は、「アモキシシリン」「クラリスロマイシン」の2種類の抗生物質と、胃酸を抑える薬を1日2回7日間の内服治療(1次治療)で行います。成功率は約70%で必ず成功するわけではありませんが、失敗した場合には薬を変えて再除菌(2次治療)を行うことができます。ピロリ菌除菌療法は、いわば胃癌を予防するための治療となります。平成25年2月22日より除菌療法の適応症が拡大され、萎縮性胃炎に対しても診断と除菌が保険適用されることとなりました。各種ワクチン接種に任接接種(保険適応外)が多いことを考えますとピロリ菌感染の治療が保険診療で行えることは画期的なことです。

実際の治療の流れですが、保険診療では、
  1. 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行い萎縮性胃炎(ピロリ菌胃炎)の有無を調べます。
  2. 萎縮性胃炎があれば,ピロリ菌感染の有無をしらべます。

萎縮性胃炎があり、ピロリ菌感染がある方が治療対象となります。初めに胃カメラを受けるのに抵抗がある方は、胃癌リスク検診(ABC検診)を受けていただくのがよろしいかと思います。

 ABC検診は癌そのものを見つける検査ではありませんが、追加検査(内視鏡検査)が必要かどうかを判定することができます。血液による簡便な検査でピロリ菌感染の有無(血清ピロリ菌IgG抗体)と胃粘膜萎縮の程度(血清ペプシノゲン値)を測定し、胃癌になりやすい状態かどうかをA~Dの4群に分類する検診法です。他の検診(脳ドック)などと同時に行なうこともできます。

2007年に日本で新たに癌と診断された方は、およそ70万人で、そのうちの約10万人が胃癌でした。2011年に癌が死因となった方は、およそ35万人で、そのうちの約5万人が胃癌でした。このように、ピロリ菌感染者の全員が胃癌になるわけではありませんが、胃癌は2007年の部位別がん罹患数1位、2011年の部位別がん死亡数2位と上位を占めています。

胃癌はピロリ菌感染癌とも言え、除菌治療により発症の危険性が低下します。また、50歳以上の方が年に1回の上部消化管内視鏡検査を行いますと、早期胃癌(進行度Ⅰ期)の発見率が現在の60%から80%に向上し胃癌死のリスクを低下させることができます。当院では、最新鋭の内視鏡設備を導入しており、内視鏡検査を受けるのが苦手な方には、鼻からの胃カメラや鎮静剤の組み合わせにより、苦しくない内視鏡検査を心がけております。あなたもおなかの健康について、考えてみませんか?

消化器内科