ロボット支援手術「Mako(メイコー)」
ロボット手術支援システム「Mako」を導入
高齢者人口の増加に伴い人工関節手術の手術件数は年々増加しています。日本では年間15万件以上の人工関節手術が行われ、その優れた治療効果と安定した成績から適応が拡大しています。人工関節手術に用いるロボット手術支援システムは安全で正確に手術を行うためのデバイスとして認められ、2019年に厚生労働省の承認を得て保険適応となりました。当院も2025年よりロボット手術支援システム『Mako(メイコー)』が導入され、人工股関節全置換術(THA)、人工膝関節全置換術(TKA)、人工膝関節単顆置換術(UKA)に対してMakoロボットを用いた手術を開始しました。

ロボット支援手術とは?
術前に撮影したCT画像をもとに三次元モデルを作成し手術計画を立てます。患者さんごとにインプラントのサイズや設置位置、骨を削る深さや角度などを決めておきます。術前計画をもとにTHA(人工股関節全置換術)では骨盤にインプラントを設置する際、TKA(人工膝関節全置換術)やUKA(人工膝単顆置換術)では大腿骨や脛骨を骨切りする際に、ロボットアシストシステムが術者をサポートします。術前計画にない角度や深さで骨を削ろうとすると、ロボティックアームが自動的に動きを制御し、安全性を確保する仕組みになっています。
THA(人工股関節全置換術)においては脱臼リスクを低減し、動作制限の少ない股関節の再建が可能となります。またTKA(人工膝関節全置換術)やUKA(人工膝単顆置換術)においては患者さん本来の関節の硬さや動きに配慮した膝関節の再建ができ、良好な可動域が得られます。術前計画に基づいた正確な手術が可能となったことから、術後の可動域や筋力の回復をより期待できるようになりました。
手術後の経過は?
「早く家に帰りたい」「しっかりとリハビリをしてから退院したい」など、患者さん一人ひとりのご希望に応じてリハビリ計画を立て、おおよそ1〜2週間での退院を目指します。
人工関節手術を受けられる患者さんにとって、リハビリは非常に重要な役割を担っています。筋力や立位バランスなどの身体機能には個人差が大きいため、それぞれの状態に合わせたリハビリテーションを提供していきます。
また、退院後も定期的なチェックを行い、患者さんがご自身の目標に向かって継続して運動療法に取り組めるよう、しっかりとサポートしてまいります。