寄稿文のご紹介

2020年4月、当院の開院10周年にあたりお寄せいただいた寄稿文をご紹介しています。(文中の所属・役職名は原稿作成当時のものです)

中野区医師会長寄稿文

開院10周年に寄せて

一般社団法人中野区医師会長 溝口 雅康 様


一般社団法人中野区医師会を代表して、総合東京病院開院10周年をお祝い申し上げます。

中野区北部における基幹病院慈生会病院を引き継ぎ、東京病院が開院して今年4月で10年になりました。当初19科、250床で診療が開始されましたが、年々科を増やし増床し、現在では33科、451床と中野区内では最も大規模な病院にまで成長しました。その成長の陰には、渡邉貞義理事長・院長をはじめとする多くの医療スタッフ、事務局の努力があると思います。中野区医師会会長としてその努力に敬意を表させていただきます。

さて2次医療圏区西部において、残念ながら中野区は最も医療資源の乏しい区です。もし慈生会病院が総合東京病院に引き継がれず、そのまま閉院になっていたら、中野区北部の地域医療はどうなっていたのか、考えるだけでも頭痛がしてきます。総合東京病院は、開院と同時にPET-CT、ハイブリット手術室を設置しています。さらには救急治療センター、心臓血管センターなどを設け、高度専門医療を提供できるようになりました。

東京都が示している地域医療構想では、2025問題に向け超急性期、急性期病床の増床が必要とされています。その構想において総合東京病院が、今後の10年、20年も同様な成長を遂げ、中野区、2次医療圏区西部の基幹病院としてますます地域医療に貢献していただけることを祈念し、開院10周年のお祝いの言葉とさせていただきます。

2020年 7月

中野区長寄稿文

中野区長
酒井 直人 様

このたび、総合東京病院は、開院10周年を迎えられました。
院長をはじめ、医療従事者などすべての病院関係者の方々のご活躍により、区北部地域における中核的な医療機関として、日々、医療の提供を続けてこられたことに、満腔の敬意を表するものです。

貴院は、平成22年の開院当時、19診療科でスタートされましたが、現在では、33診療科を擁するまでに発展されました。その中でも、特に、脳卒中センターや心臓血管センター、さらに、救急治療センター等の充実など、先端的で高度な医療を提供されております。貴院が、中野区民に限らず、数多くの患者の生命と健康を守るために、多大なご尽力をされてきたことは、我が区の誇りとするものです。

また、医療の提供に加え、健康・長寿等の身近なテーマについて、地域住民向け市民公開講座を定期的に開催するなど、区民の健康維持・増進に向けた取り組みを推進されてきました。

さらに、病院内に併設された保育室で、区の事業である病児・病後児保育を実施していただくなど、子育て家庭への支援にもご協力を賜り、「子育て先進区」の推進に向けた一翼を担っていただいております。

今後は、障害者支援施設江古田の森と連携して、中野区障害者短期入所医療的ケア実施事業への看護師派遣をしていただく予定となっています。これは、区民の長年の要望に応えるものであり、今回の新たな取り組みにも、心から感謝しています。

さて、区は、平成29年3月に、中野区地域包括ケアシステム推進プランを策定し、「すべての人が安心して住み続けられる中野区」を目指して、これまで様々な施策を展開してきました。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年、さらには、高齢者数がピークを迎えるといわれる2040年頃の地域社会を展望するとき、私は、中野区をあらゆる人が身近な地域で、いくつになっても、安心・安全に暮らせるような街にする必要があると考えています。

そのために、区民から信頼され、安全で質の高い医療を提供する病院は、最も大切な存在のひとつであり、地域包括ケアシステムを構築するための要となることは論を待ちません。また、本年発生した、新型コロナウイルスの感染拡大によって、急性期医療をはじめ、地域において様々な医療を展開する病院の重要性が、あらためて明らかとなりました。

貴院におかれましては、今後も、先端的かつ高度な医療や区民生活を支援する医療の提供を続けていかれることをお願いするとともに、「すべては患者さんのために」という院是をますます高く掲げて、多くの人々の健康を守り、社会に貢献する医療機関として、さらに飛躍されゆくものと確信をしております。

結びに、これまでの貴院の区に対するご支援、ご協力、また、新型コロナウイルス感染拡大に対して、PCR検査の実施や陽性患者の受け入れなど、様々なご対応をいただいていることに、あらためて感謝の意を表しつつ、より一層のご発展を祈念して、開院10周年のお祝いの言葉とさせていただきます。

2020年 9月