公開日:2023年9月13日 |最終更新日: |カテゴリ:その他, 放射線治療コラム

直腸がんは乳製品、肉類などの多い食事で日本でも増えてきています。特に肛門に近い下部直腸がんでは手術で肛門も含めて切除しなければならないことがあり、その場合は永久人工肛門になり日常生活でも支障があります。

このような場合、海外では術前に放射線治療と同時化学療法(化学放射線療法)を施行してから手術を小さくし可能な限り肛門を温存することが一般的です。更に、化学放射線療法で3割程度の方は腫瘍が消えることから、そのまま様子を見て万一再発したら手術をする、という方針もとられるようになってきました。さらに方法を改良して報告によっては半分以上の方が人工肛門にならずに済んでいます。また、生存率は最初から手術をする方法とかわりません。


一方、日本の場合は海外とはかなりちがっており、直腸がんは原則手術だけで治療する方針のところも多く、日本のガイドラインにも上記のような手術を避ける可能性の記載はないようですが、最近になって臨床試験で、(可能であれば)手術をさける方法が行われるようになってきました。放射線治療は25Gyという量を5回で照射する方法を採用しています。臨床試験の結果を期待したいと思います。


参考

https://osaka-gs.jp/2023/01/news6442/


監修

総合東京病院 放射線治療センター

国枝 悦夫

放射線治療センター  放射線治療セカンドオピニオン外来

国枝悦夫医師