ノロウイルスの基礎知識

ノロウイルスを予防するには、どうしたらよいですか?
患者さんのためのQ&A
ノロウイルス

今シーズンもノロウイルスの流行が始まりました。2019年12月9日、神奈川県内において「感染性胃腸炎」の患者が3週間連続で増えたことから、神奈川県は「ノロウイルス食中毒警戒情報」(外部リンク)を発令し、ノロウイルスによる食中毒に対する警戒を呼びかけています。

都内においても流行が予想されるため、しっかりとした対策が必要です。

ノロウイルス感染症とは?

ノロウイルス潜伏期間

ノロウイルス感染症とは、ウイルスが原因で起こる感染性胃腸炎です。原因ウイルスであるノロウイルスは、小腸粘膜で増殖し、熱や乾燥にも強く長期間生存が可能です。そのため、少量(10~100個)のウイルスでも感染・発症します。

ノロウイルス感染症の特徴とは?

ノロウイルス感染症は1年を通して発生しますが、特に11月~2月にかけて流行します。ノロウイルス感染症は子供や大人を問わず全ての年齢にみられます。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は重症化しやすく、長期免疫が成立しないため何度もかかるのが特徴です。

ノロウイルスに対する有効なワクチンはなく、治療は点滴などの対処療法に限られます。

ノロウイルス感染症には、次のような特徴があります。

  • アルコール消毒が効きにくい
  • 有効な薬がない
  • 一度かかっても、何度も感染を繰り返す

ノロウイルスの感染源は?

ノロウイルスは主に経口感染(口からの感染)で、ノロウイルスに汚染された食品が原因となっているケースが多いと考えられています。身近な例としては、ノロウイルスに汚染された二枚貝(主に牡蠣)などに接触することで感染します。

また、二次感染で多いのは手による媒介です。感染者の便や嘔吐物に触れた手で食品を取り扱うことによって感染するケースもあります。

ノロウイルスに感染する主な原因は次のとおりです。

  • ノロウイルスに感染した牡蠣などの二枚貝
  • 感染者の嘔吐物や便
  • ノロウイルスがついた手での調理

ノロウイルスの主な症状

ノロウイルスは体内に入った後、「腹痛・下痢・吐き気・嘔吐」の症状を引き起こします。潜伏期間は12~48時間で、激しい嘔吐や吐き気が起こるのが特徴です。発熱は37℃~38℃と軽度で、大人では吐き気や腹痛の症状が強いとも言われています。

通常、発症後1~2日間で症状は治まりますが、重症化すると1日に数十回のひどい下痢を起こすこともあります。また、症状がない「不顕性感染」にも注意が必要です。

ノロウイルスに感染したにも関わらず嘔吐や下痢の症状がなく、便からウイルスが排出されることを「不顕性感染」と言います。自分自身は無症状であっても、身近な人に嘔吐や下痢の症状がある場合は自身も感染している可能性があると考え、手洗いをしっかり行うことが大切です。

ノロウイルスにかかった時の症状には、次のような特徴があります。

  • 激しい嘔吐や吐き気
  • 腹痛・下痢
  • ひどい下痢を繰り返す(重症の場合)
  • 37℃~38℃の発熱
  • 発症後1~2日で症状が収まる
  • 症状がないこともある

手洗い・手指消毒で感染を予防しましょう

手指消毒液


総合東京病院では感染対策室を設置して院内感染対策の強化に力を入れており、手洗い・手指衛生を推進しています。
院内感染防止のため、院内各所に消毒液を設置していますのでどうぞご利用ください。こまめな手指消毒で、ノロウイルスの感染を予防しましょう。

感染対策室について

(監修 総合東京病院 感染対策室)

公開日:2020年1月8日 |最終更新日: |カテゴリ:医療コラム
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