ペイン緩和センター

「診察曜日・時間について」
詳しくは、 外来診療担当医師一覧表 をご覧ください。

ペイン緩和センターの特徴

本年5月から週に1回であるが本院に痛みの診療科・ペインクリニックとしてペイン緩和センターが開設され、わたくしが担当することになった。
わたくしはこの3月まで日本大学病院で麻酔科・ペインクリニック科の責任者として勤務してきたものであるが、現在でも週2回、駿河台日大病院で診療にあたっている。本院では整形外科、脳神経外科などで質の高い痛み治療がすでに行われているので、このセンターに期待されるのは、特に慢性の痛みの緩和であろう(図1)。
現在、本邦には約2300万人の慢性痛患者さんがいることが判明している。実に全人口の23%にあたる。
その約半数は腰痛を中心とした運動器の疾患である。全体的に見ればその約3/4では痛みの治療に満足していないことも判明している。ではどのように慢性痛と付き合ったらよいのであろうか?

ペイン緩和センター

(図1:慢性痛の症例)

医師紹介

小川 節郎
詳しく見る

小川 節郎

ペイン緩和センター長

専門としている領域

  • 麻酔科
  • 痛みの制御に関する基礎的・臨床的研究

慢性の痛みとの付き合い方

毎日を少しでも楽しく過ごすために

腰痛を例にとると、慢性腰痛の約80%は原因がよくわからないいわゆる「非特異性腰痛」とされている。
また、そのほとんどで、社会的な問題や、心理的な問題が腰痛を長引かせ、慢性痛になってしまっていることが最近の研究でわかってきた。ではなぜ、そのような問題が痛みに関係しているのであろうか。
私たちの体の中には、体に発生した痛みを抑制する神経系が存在していて、内因性疼痛抑制機構と呼ばれている(次ページ参照 図2)。
体の中にはモルヒネに似た物質などの鎮痛物質などが存在して痛みを和らげるように働いているのである。
ところが、心配、不安、不満、怒り、悲しみ、絶望などのマイナスの感情が長く続くと、この物質を出す機構が不調となり、その結果、痛みを強く感じてしまったり、痛みが長く続いてしまうのである。

ペイン緩和センター

(図2:内因性疼痛抑制機構と、それを増強する薬物など)

最近、話題になっている線維筋痛症や外傷性頸部症候群(むち打ち症)のあとに長く続く痛みなどもこの機構の不調が大きく関係していると言われている。
このことから考え、慢性の痛みに対抗する一番の方法はこの内因性疼痛抑制機構の機能を回復させることである。では、どうすればいいのであろうか。一つはやはり薬物療法があげられる。この内因性疼痛抑制機構を活発にする薬物が必要である。この作用を持つ薬物として、気分が沈んだ時に処方される「抗うつ薬」がある。また最近ではいわゆる「麻薬系」とされる鎮痛薬ががんの痛み以外にも用いられるようになってきた(図2)。
一方、腰部脊柱管狭窄症の患者さんの一部や、手術の傷跡の痛み、帯状疱疹後神経痛、糖尿病の合併症である糖尿病性神経症、そして脳出血・脳梗塞などのあとに起こる全身痛などは、神経が障害されて起こっている痛みで、「神経障害性疼痛」と言われている。この痛みには通常の鎮痛薬(例えば、ロキソニン、ボルタレン、ポンタール等)がほとんど効かない。神経が障害されると神経線維が勝手に信号を発するようになり、痛みの刺激がなくとも痛みの信号が発せられてしまうのである。このような神経障害性疼痛も慢性痛となって患者さんを苦しませる。最近になって、このように異常に興奮して痛みを起こす神経を鎮静させる薬物が用いられるようになった。痙攣を抑えるような働きを有する「抗けいれん薬」の部類に入る薬物がそれである。本邦でも数年前から保険でも認められるようになった。
では薬だけ服用しておけばよいのであろうか?実は上記のような薬物以上に有効な方法があるのである。しかもその方法は患者さんがたが自分で出来る方法で、それは「動くこと」それもリズミカルな運動行うことである。「痛いから動かない」ではなく「痛くても動く」ように日常の生活を自分自身で修復するのである。医療者は、その努力を後押しして差し上げることが重要である。徐々に目標を定め、それが達成されたらその努力に言葉を以て敬意を表し、少しずつでよいので運動能力を高めるように一緒に考えることである。それでも様々な理由で運動が出来ない患者さんがたも多い。そのような場合でも、気持ちが少しでも前向きとなるよう手助けをすることが慢性痛の治療になるのである。
長く続く痛みを抱えて病院にきても、いつも同じ鎮痛薬が処方されるばかりといった場合には、その痛みの原因と鎮痛薬の作用機序が合致していないことが一番考えられる。なぜ痛むのか、痛みの原因を出来るだけ明らかにして、その痛みに最適な薬物や治療法を用いることが重要である。
最後になったが、本院のペイン緩和センターでは以上のような薬物療法の他、痛んでいる神経を麻酔薬で休ませる方法である神経ブロック(注射で行う)や、低い出力のレーザー光線を照射する方法なども積極的に行っている。
慢性の痛みに悩んでいらっしゃる患者さんはぜひ一度受診してみていただければと思っております。

診療時間

曜日 午前 午後
  菊田
 
小川 小川
   
   
   

詳しくは、 外来診療担当医師一覧表をご覧ください。


関連する診療科目はこちら